蓮杖探偵事務所の飄々事件簿
かたやウェンディは、均衡した戦いに慣れていなかった。

雛罌粟のような女性をジワジワと嬲りながら追い詰める事ばかりしていた為、いわゆる弱者相手しかしてこなかった。

その事が、逆境への弱さを露呈させた。

「くそがぁあぁあっ!」

焦燥に駆られ、大振りの斬撃を繰り出すウェンディ。

その鼻面に。

「うぐぁっ!」

フリッカージャブ!

そして隙だらけの脇腹に再びレバーブロー!

「うぶっ!」

思わずガードを下げたウェンディの顔面に、左ストレート!

そうやって顔面とボディを打ち分けて翻弄し。

「今まで殺した数だけ苦悶して悔い改めろ」

トドメに地を這うようなアッパーカット!

「がっはぁあぁあっ!」

ウェンディの体が宙を一回転し、そのままアスファルトにベシャリと落下した。

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