蓮杖探偵事務所の飄々事件簿
と。

「何やらいけねぇ発言が聞こえたが…まぁ聞かんかった事にしてやろう」

そんな言葉と共に、耕介達に初老の男性が近づいてきた。

刑事課の徳さん。

今回の事件の捜査協力を依頼してきた人物だ。

耕介の警察時代の恩人でもある。

「世話になったな蓮杖、お陰でウェンディを逮捕する事が出来た…まぁ些か派手に殴られとるが…正当防衛って事で片付けられるだろう」

「…俺ぁ何もしてねぇですよ…知り合いの若いのが張り切っただけッス」

ハンドポケットのまま言う耕介。

徳さんには頭が上がらないのか、いつもとは違って殊勝な態度だ。

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