蓮杖探偵事務所の飄々事件簿
「……見たか、今の」

「……ああ」

本気の潰し合いをしていた事も忘れ、立ち上がる耕介と夏彦。

「何だと思う……さっきの」

「俺に言わせるのかよ…」

言いたくはない。

二人とも、大の男だ。

臆病な奴だと思われたくはない。

だがしかし。

こんな薄暗い建物。

誰もいない筈の場所。

そこに忽然と現れた白い影。

< 19 / 440 >

この作品をシェア

pagetop