蓮杖探偵事務所の飄々事件簿
「…さてと…」

黒髪短髪を片手で掻き、耕介は状況の確認をする。

「ここが何処だかわかるかい、お嬢さん。男前のお兄さんに教えてくれると有り難いんだが」

そんな耕介のどこかおどけた発言に。

「残念ながら状況を理解できているのは一人もいない」

黒髪、中肉中背、瞳が長い前髪で隠れている大学生くらいの青年が答えた。

他人に頼るのは無理らしい。

耕介はグルリとその場を見渡す。

家具らしい家具は、少女の座っているソファだけ。

八畳程度の広さの洋室に、耕介を含む四人…いや。

「お前もいたのか」

五人がいた。

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