蓮杖探偵事務所の飄々事件簿
部屋の隅。

ソファに座った少女のとは違う制服を着た、パッツン気味に切り揃えた前髪、長い黒髪が印象的な少女が立っている。

「何でここに集まってんだお前達?仲良くパーティーでも始めるのか?」

「そんな訳ないだろう」

大学生が答える。

「あんたと同じさ…みんなここに倒れていた。俺は大学から、彼らは高校から帰宅途中に何か薬を嗅がされて眠らされて…気がつくとこの部屋だった」

「という事は、ゆ、誘拐でしょうか?」

眼鏡の少女の傍らに立っていた小柄な少年が、臆病そうに呟く。

「……」

前髪パッツンの少女は無言のままだ。

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