蓮杖探偵事務所の飄々事件簿
言われるままに、夏彦達も確認してみる。

恐る恐る水の中に腕を浸けると。

「…本当だ…」

濁った水のせいで底が見えない為に気付かなかったが、手はバスタブの底に触れる事はなかった。

『バスタブの深さは浅いもの』

そんな固定観念があったから想像もしなかったが…。

「恐らくこのバスタブの深さは数メートルはあるだろう…そして地下水路のようになってて、潜っていった先には何処か別の出口がある…雛罌粟はそこに連れ去られた…攫ったのも悪霊なんかじゃねぇ…」

耕介の洞察力を働かせた眼がギラリと光る。

「れっきとした人間だ」

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