蓮杖探偵事務所の飄々事件簿
「ところで…何してるんですか?」

俊平が耕介を見る。

まるで何かを探すように、指先でコンクリートの壁をなぞり続けている。

その指先が。

「ビンゴ」

何かを探り当てた。

「何だ?」

「何を見つけたの?」

目を凝らす夏彦と冴子。

よく見ると、小さなレンズのようなものが見える。

カメラのような、センサーのような…。

「立体映像装置だ」

耕介が言った。

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