蓮杖探偵事務所の飄々事件簿
「いわゆる3Dとかホログラフとか…まぁ厳密には違うものなのかもしれんが、細かい事は機械に詳しい奴が勝手に調べろ」

壁に埋め込まれた装置に触れながら耕介は言う。

よく見ればいたる所に装置は埋め込まれていた。

「この建物に窓がねぇのはその為だろ…装置を壁に埋め込むスペースを確保するには、窓が邪魔になる」

「だが…こんなものを何の為に…あ…」

言いかけた夏彦はハッとする。

「まさか、俺達が見たあの白い影は…」

「ご名答」

ニッと笑う耕介。

「ありゃあ霊でも何でもねぇ。この装置で映し出された立体映像だ」

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