ダーリンは12歳年下✦遠恋の果てに
着の身着のまま飛び出したものだから、どうしようかと公園のベンチで途方に暮れてる時、カノンの音色にドキッとする。

優斗には心配かけたくないから、いつも通りのトーンで電話に出たつもりだったけど、優斗の声を聞くと涙が込み上げてくる。

声が震えちゃうよ。


その時、泣きじゃくりながら私の携帯に顔を寄せた娘が一言、


『優斗くん!助けて(泣)』


普通じゃない私達の様子に気がついた優斗。


『何があったかちゃんと俺に話して!
でなきゃ、このまま電話切る事なんて絶対できないから!』

結局、今日の出来事を話す事に。

『とにかく2人で早くおいで。』

また、涙が後から後から込み上げる。


私はもっともっと強くならなくちゃ!
何があっても娘は私が守り通す。

そう自分に活を入れた。

それでも、私と娘は一晩優斗の部屋で過ごした後、結局は暴力夫のいる家に帰るしかない。
娘の学校の事もあるし、実家の父は義父だから迷惑なんて掛けれないと思い実家にも行けなっかた。

優斗にもある程度悩みを打ち明けたりしてたけど、頼るわけにはいかないし。
だってまだ18歳なのにこんな重大な問題を抱えた私を優斗の肩に乗せるなんて事出来ないんだもん。

優斗が居るから離婚しようと思ったんじゃないから。
優斗と出会ってなくても、いつか離婚してたと思う。


その頃には夫は家計に一切の生活費を入れなっていたので、家を借りて出て行く為に私はとにかく忙しく働いてお金を貯めた。
大みそかの朝まで働いた。


そして、私は自宅で、優斗は職場の仲間と新年を迎えた。


一応、まだ主婦で母親だから普通の独身の女の子のように時間に融通がきかないのは仕方ない。
どうしても、優斗と会える時間が制限されてしまう…

優斗も遠く離れた大阪まで出てきたのに、思ってた程私との時間を共有出来ない事に徐々に不満がたまっていったようです。

頼もしい一面もある一方で、やはり12歳も年下。
しかも、まだ20歳にも達してないんだもん。


あの頃の優斗にはきっとそれを理解する事が出来なかったよね。


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