ダーリンは12歳年下✦遠恋の果てに
あまりにも突然にそれはやってきた。

リストラ。

5年勤めていた小さな会社からまさかの解雇を言い渡される。
なんでも社長の妻が、私が受け持っていた事務の仕事をやりたいからだそうな。
そのために私はあっけなくリストラされる。
家族経営の会社ならではの身内の身勝手だ。

あっという間に私は普通の専業主婦になっていた。

…と、いうより第三者から見ればの普通であって、自分自身にとっては普通の専業主婦だなんて思ったことなんてない。

もう、何年もドメスティックバイオレンスの状態だったから…


その後の私は仕事にも、そして家庭にも運のない人間なのだと思いながら、ただ一日一日を過ごしているだけだった。

誰がわざわざ築いてきた家庭を壊そうとするだろうか?

そりゃ、山あり谷あり困難にもぶち当たる時だってあるだろうけど、でも家族みんなが笑顔で暮らせるようにしていきたいはず。

私だってそうだった。

いつかは…いつかはきっと…
と思いながら毎日が我慢の繰り返し。

でもその反面、もうダメかも…
こんな生活早く終わらせたい。

そんな正反対の思いが入り乱れ、どんなに考えを巡らせても堂々巡りで出口が見つからない。

自分が自分じゃない、まるで操り人形のようで息が詰まりそうだった。

何度、アザと傷だらけで会社に行って『ころんだ』と言い訳しただろう?

何度、必死の思いで110番を回しただろう?

本当のあたしはどこなんだろう?

そして遂にもぬけの殻になった私は、何故かハサミで家中の紙を切り刻んでいた。

新聞にはじまり、雑誌、郵便物などとにかくハサミを入れていた。
毎日何時間も…

自分でも何がしたいのかよくわからなかったけど手が止まらなかった。

死んだように生きていた。

そんな時だった、インターネットの出来るゲーム機を手に入れたのは。
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