いつも同じ空の下で
「ユウキとハヤトは進路どうすんの~」
部活の帰り道、ユウキとハヤトと3人で帰っている途中
ふと、今日渡された進路希望調査の紙を思い出して聞いてみた
「私はたぶん地元の大学かなぁ~。まだハッキリとは決まってないけど。無難に」
と、考えているのか、考えてないのか分からない様な返事がユウキから返ってきた
でも、なんだかんだ言ってユウキは頭がいい
選択肢は沢山あるはずだ
「俺はバレーの推薦がきてるから、そっち系の大学に進む」
ハヤトがグビグビとアクエリアスを飲みながら横目で私を見ながら答える
その言葉に、思わず目を見開いた
「推薦きてるんだ!!」
「ん~まぁな~」
驚く私とは裏腹に、ゆるい返事が返ってくる
確かに、ハヤトは昔からバレーがうまい
うちの高校も結構強いチームだし、推薦が来ていても、ちっともおかしくない
「まだ、どこの大学かは決めてないけどな」
「そっかぁ~。みんな考えてるんだなぁ」
以外にみんな将来の事をぼんやりでも考えていた事に驚いて、自分だけ取り残された気分になる
私だけ、前に進めてない
「ジュリはどうなの? 進路」
しょんぼりする私を見て、ユウキが首を傾げて尋ねてくる
「まだ・・・全然決まってない。将来やりたい事なんて、そんなのないし・・・」
自分で言っておいて、なんだか自分が酷くつまらない人間に思えてきた
頭も平均
運動神経も平均
特に誰かに胸を張れる特技なんて、1つもない
小さい頃はお花屋さんになりたい!! なんて言ってたっけ・・・
でも、現実ではそんな簡単にスパッと決められない