いつも同じ空の下で




「貸して」



どこからともなく、そんな声が聞こえて思わず立ち止まる


キョロキョロと声の主を探すけど、あまりの大きな段ボールに視野が狭かった私

すると、突然持っていた段ボールを誰かが持ち上げた

視界がひらけると、目の前には無表情の星野さんがいた




「星野さん! いいですよ!!」




慌てて段ボールを持とうとすると、ヒョイと段ボールをかわされた




「いいから」




素っ気なくそう言って、スタスタとバックヤードに運んで行った星野さん

その姿を急いで追った




彼は『星野海斗(ホシノ カイト)』

大学3年生で、ここでは主にトレーニング用品を売っている


切れ長の目と、少し焼けた肌に

サッパリと切られている真っ黒な髪

程よくついた筋肉が、男らしい人



他の男性社員とは楽しそうに話しているけど、私といる時はけっこうサッパリしている彼


というか、どこか冷たい

笑顔すら見た事ない



こうやってたまに助けてくれるけど、少し緊張しちゃう




「あの、ありがとうございます。助かりました」




バックヤードに入って、持っていた段ボールを床に置いた星野さんにお礼を言う




「いいよ」




いつもの通りサッパリした返事

無表情な彼に、怒っているのか? とさえ思ってしまう

< 252 / 351 >

この作品をシェア

pagetop