いつも同じ空の下で


「どんな事があっても、ヨシキの側にいる」



月の光を取り込んで輝くヨシキの瞳を見つめながらそう言う

爽やかなシトラスの香りが心を穏やかにしてくれる

懐かしい、私の大好きな香り





「ありがとう、ジュリ」




私を愛おしそうに見つめるヨシキ

しばらく見つめあった後、ヨシキの唇が私の唇と重なった




冷たいヨシキの唇

私の唇を割って入ってくる温かい舌

今まで離れていた分を補うように、キスをした





しばらくして、チュッという音と共に離れる2つの唇


優しい笑顔のヨシキが私の髪を優しく撫でる

すると再び、ヨシキは私を腕の中に閉じ込めた




「さっきの男に取られるかもしれないって思った」




しばらく抱き合っていた私達だが、ヨシキがポツリとそう呟いた



「え?」

「やばいって思った。取られたくないって」



悔しそうに、苦しそうに話すヨシキ

さっきの男って星野さんだよね



やっぱり見てたんだ・・・・って当たり前か




「店の中で会った時で分かったよ。この人、俺と同じ目でジュリを見てるって」

「――」

「だからジュリが出てきて、あの人に抱きしめられてる所を見て、俺どうかなりそうだった・・・・もうジュリは、あの人のモノなのかって・・・・」




私は全然気が付かなかった星野さんの気持ちを、ヨシキはすぐに見破った


だって、初めは嫌われてるって思ってたくらいだったし

そんなはずないって思ってた――



そんな事を思っていると、ふとある事を思い出した




「ヨシキ・・・1つ聞いてもいい?」

「何?」

「あの・・文化祭の時にステージの横に一緒にいた女の子・・・誰?」




恐る恐る聞いた私にヨシキは首を傾げて、不思議そうにしている

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