いつも同じ空の下で


「会いたいっ、声が聞きたいっ、話したい事が沢山あるのっ」



擦れる声が暗闇の中に溶けていく

誰も拾ってくれない言葉が、落ちていく



ハラハラと

まるで桜が散る様に




「ヨシキッ!!!」




悲鳴の様に叫ぶ私の声は、どこにいくんだろう

私はどこへいくんだろう



息もできない苦しさの中

あなたを思う



ぶつけようのない想いが、体の中で暴れ回る

洪水の様に落ちていく涙が地面を濡らす



私を強く抱きしめて泣くユウキ

微かに震える彼女の肩を見て、小さく呟いた





「会いたいよ・・・・ヨシキ」




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