いつも同じ空の下で


その、あまりの脱力感を見て慌てて声をかける



「え、そんなに緊張してたの!?」



最後の方は打ち解けて、ワイワイ話していたヨシキだから、もう緊張してないもんだと思っていた私

そんな私を横目にヘナヘナとその場に力なく、しゃがみこんだヨシキ



「そりょするよ~。ってかメチャクチャしたよ~」

「そうだったんだ...」

「――でも。ジュリの家族みんないい人だったから凄く楽しかった。コロッケもスッゴク美味しかったし」



そう言って、満面の笑みで立ち上がって両手で私の顔を優しく包み込んんだヨシキ

真っ直ぐに私を見つめる瞳が、まるで星の様に輝いている




「ありがとう。ジュリ」




そう言って、額にチュッとキスをした




「じゃぁ、またメールする。今日は本当にありがとう」

「うん」



最後にもう一度微笑んだヨシキは、手を振りながら駅へと向かっていった

その姿が見えなくなるまで、私は手を振り続けた




「行っちゃった...」



誰もいなくなった道路に、小さくそう呟く


最初はどうなるかと思った

それでも、家族にもヨシキを認められた様で心の奥がポカポカと暖かかった



いつか私もヨシキのご両親に会ってみたいな

きっと素敵な家族なんだろうな





そう思いながら、雨の止んだ空を見上げた


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