不滅の妖怪を御存じ?






ドタドタ、カラカラと走る音がする。

佳那子は走りづらいことこの上なかったので下駄を脱いで足袋のまま走っている。


「紫月も下駄脱げよ!」


カラカラと音がうるさい上に遅い紫月に桜が怒鳴る。
転びそうになりながらも紫月は下駄を脱いだ。


「伊勢くん!やってくる妖怪なんだか分かる!?」

「恐らく天狗だよ。」

「追いつかれるぞ!」


もう数十m後ろに迫ってきている。

バッと千秋は懐から札を三枚取りだしボソボソと何かを呟く。
すると微力ながらも薄い結界が出来た。


「三十秒は稼げる。」


佳那子は鏡を、桜は刀を抜き臨戦態勢に入る。
紫月は札をペタペタと泥の上に付着させ結界を強化している。



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