不滅の妖怪を御存じ?











「恐ろしい夜だったよ。やけに肌寒くてね。窓を閉めようとしたら断末魔のような叫び声が聞こえたんだよ。」



「一人じゃない。何人もの。いや、あれは人の声とは言えなかったかもしれない。人じゃない、何かもっとおぞましいものの声だった気がする。」



「心臓を鷲掴みされたかと思って超ビビった。しかもその声、耳に聞こえたってわけじゃないんだぜ。本当だって。声は聞こえなかった。でも、叫びの思いっつーのか、驚愕ってのが、一気に大量に俺の胸に流れ込んで。あー、なんか、うまく言えねぇな。」



「私最近ここら辺に引っ越してきたんですよ。で、引っ越し早々あんな気味悪い出来事で。とりあえず、家の周りに塩撒いておきました。」



以上。
弓月たち妖怪が発狂した日のことを藍の家近隣の住民に聞いた内容でした。




< 51 / 491 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop