anjel








「さーって!

片付けるか!」


ハルが伸びをしながらそう言う。


「幸望だけで片付けする?(笑)」


「え、別にいいけど…」


「うそに決まってるじゃん!!」


笑いながら私の背中を叩く朱里。


いや、朱里なら言いかねないけど…


「私のためにしてくれたんだから、

片付けぐらいするよ?」


と私が言うと、みんなに「なんでやねん!」とつっこまれる。


「え?」


「主役に片付けさせられないでしょ?」


「青山のために準備したんだから!」


ニコッと笑う智ちゃんと岸本くん。


なんだかジーンとしてしまって、


また泣きそうになる。


私って、本当に泣き虫だなって思う。


「ありがとう」


私も笑ってそう言う。


「じゃ、みんなで片付けよ!」


そう言って片付け始めるハル。


あ、そういえば…


「ハル、ちょっと待って!」









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