anjel








その日の8時半。


「「「「お疲れ〜!」」」」


「お疲れ様です!」


カチン、というグラスのぶつかる音で、


路上ライブの打ち上げが始まった。


と言っても、いつものライブハウスの控え室で簡単な打ち上げなんだけどね。


「あー!最高だったな!!」


「すっげ〜楽しかった〜!」


「…客の感想が直に伝わってくるな」


「私泣きそうでした!」


各々に感想を言い合い、反省会も兼ねている。


「曲順も大切だよな〜」


「ノリのいい曲を連続する方がいいのか、バラードを連続する方がいいのか…」


「…そこらは客の反応を見て研究だな」


「そうですね…。人それぞれ好みは違いますし、難しいところですね」


「まー、とにかく、これからも路上ライブで鍛え上げようぜっ♪」


「普通にライブハウスでライブもしたいしな!」


「…グッズとかも作りたい」


「それいいですね!!」


そんな未来の話をするだけで、


どんどんやる気が出てくる。


もっと聞いてくれる人の感想を聞きたいな。


もっとギターの練習してちゃんと作曲できるようにしたいな。


作詞も、もちろん。


歌唱力の向上、ライブの雰囲気の作り方…


いくら時間あっても足りないよ。


…でも、全部成し遂げたい。


私、前よりポジティブになれている気がする。


やっぱり、バンドのおかげだな……









< 535 / 600 >

この作品をシェア

pagetop