anjel








「…おい、瑞希?どうした?」


そんな翔の声が聞こえ、みっくんを見ると。


「っ!?みっくん!?」


ソファーにもたれ、苦しそうに顔を歪めるみっくんがいた。


「瑞希!?どうしたんだ!?」


「ちょ、誰か携帯…!」


救急車呼んで、という奏ちゃんの言葉を


みっくんが遮った。


「ごめんごめん…大丈夫、だから」


苦しそうに、でも、心配かけないように、笑うみっくん。


…こんな時まで、笑わないで。


苦しいなら苦しいって、言ってほしい。


私たち、仲間でしょ?


「みっくん、どこか痛いんですか?」


「…瑞希、言え」


「幸望ちゃんも、翔も、顔怖いよ…」


「そんなこと言ってる場合じゃ…!」


ない。


けど、


「俺の前では、笑っててって、言ったじゃん」


なんて言われてしまったら、


「……みっくん………」


笑うしか、ないじゃない。


「そうそう。いつも、笑顔で…ね?」


みっくんはそう言って私の頭を撫でる。


私の心配ばっかり……


自分の方が、苦しいはずなのに。


「…大丈夫なのか?」


「今日はもうお開きにしよう」


「そうだな…」


奏ちゃんの言葉に頷く亮くん。


そうして私たちは各家に帰って行った。


それぞれの気持ちを抱えながら━━━━











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