anjel
「手術とか、出来ないんですか?」
私の質問に、首を横に振る翔。
「…発見するのがもう少し早かったら、何とかなったらしいが、もう手遅れだそうだ」
「手遅れって………」
それって、
「死んじゃう、って、こと?」
みっくん、死んじゃうの…?
「……瑞希はお前に心配かけるのが嫌で、俺らに黙っててくれって言ってたんだ。」
「翔、質問に答えて………。みっくん、死んじゃうの……?」
何も言わない、翔。
「翔!!!」
ウソでもいいから、死なないって言って。
今だけでいいから、私を安心させて。
脳裏でみっくんとの思い出が駆け巡る。
全て、笑顔のみっくん。
この笑顔が、全て消えるっていうの?
そんな………
そんなことって…………!
「…死ぬよ」
「……ふぇ…………」
「…瑞希は、もう一ヶ月ももたない」
翔の言葉に、止まっていた涙がまた溢れ出す。
「翔、そんなハッキリ言わなくても…」
「…いつか分かることだ。」
どうして…?
どうして、みっくんが死ななきゃいけないの……?