君しかいらない~クールな上司の独占欲(下)

夕方、今日の分の仕事を終えて、明日の準備に手をつけようとしていると、堤さんが席に来た。



「ごめん、レイアウト変更、一日遅らせられないかな。課長が手間取っていて」

「はい、調整します」



席移動の前には、各自がデスクの周辺を整理する必要がある。

整理整頓の苦手な課長の席は、日ごろからひどいありさまなので、片づけが間に合わないのだろう。


総務部の担当者、まだ会社にいるかな、と受話器に手を伸ばすと、視線を感じた。

離席中の高木さんの席に、堤さんが腰を下ろして、こちらを見ている。



「機嫌いいね。新庄と約束でもあるの」



周りに聞こえないよう、抑えた声で。

くやしいことに、さっと顔に血が上るのがわかった。



「図星」



にこりと笑って、鮮やかに自分の席へ引きあげていく。


もう何度目かわからないため息が出る。

いつまで続くんだろうか、こんなのが。



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