【短】君から伝わる体温





もう今度はそれしか思い付かなくて、あ
わあわしてると。



「……お前、自分が熱中症だって気づい
てただろ」



と言われた。



「それは……」


「お前の友達が言ってた」



……明美め。余計なお節介しやがって!



「あのさ……心配なんだよ」



……え?



ふと、聞こえてきたのはいつになく、優
しい北見くんの声。



じわじわと、胸に染み込んでくるような
、優しい声。



「好きな女が、倒れたりすんのやなんだ
よ」



……。






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