Catch-22 ~悪魔は生贄がお好き~
「うわっ、榊って、いつもそういうことやってんの?」

 運転席に座った嵐は圭斗の突然の凶行に驚いたようでもある。
 しかし、呆れているようでもあり、ほっとしているのもわかる。
 教師として生徒の行いを正そうなどと言う様子は一切感じられない。

「お互いのためっスよ。本当はトランクに押し込んでやりたかったんスけど、荷物もあるし、さすがにセンセーが困るんじゃないと思って」

 圭斗は悠々と助手席に乗り込む。
 あとは、どこかもわからない目的地に着くまでにリアムが起きないことを願うだけだ。

「あーあー、俺の助手席は月舘専用なのに」
「またそういうことを……本人に言ってもいつもの冗談で流されるんだからやめればいいのに」
「報われないって言いたいの? いや、まだ希望はある……じゃなくてさ」

 話がずれたことに嵐も気付いたようだ。
 そうでなければ圭斗はそのまま流すつもりだったのだが。

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