Catch-22 ~悪魔は生贄がお好き~
「失礼だよ、榊。これでも人が住んでるんだから」
「その言い方も微妙っスよね」

 嵐はやんわりと言ったが、圭斗は肩を竦める。嵐も嵐で失礼だと言いたいのだろう。
 少ないが、周囲に家はあるのだ。人気はないのだが。

「僕、イナカ大好きです! パーティー楽しみです!」

 妙に明るい声でリアムは言う。
 少なくとも、彼が思っているような楽しいパーティーが行われるわけでないことは明らかだった。
 部員の親睦を深めるような合宿でもない。
 もしかしたら、悪夢の一夜が待ち構えているかもしれない。
 紗綾がぶるりと身震いした時、嵐がふっふっふっと笑った。

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