Catch-22 ~悪魔は生贄がお好き~
「わ、私、着替えて来ます」

 今度こそ制服を掴み、紗綾は部室を出ようとした。
 しかし、阻止されてしまった。腕を掴まれ、そのままぐいっと引き寄せられ、紗綾はバランスを崩す。

「――その前に、記念撮影ってことで」

 よろめく体を抱き留められたかと思えば、目の前に携帯電話が突き出され、パシャリとシャッターが切られる音がした。

「け、圭斗君!?」

 不意打ちにもほどがある。恐ろしい早業である。
 紗綾は驚いて圭斗を見たが、今度はまた別の腕に引かれた。

「ずるい! 俺も撮る!」
「先生!」

 今度はメロディーと共にシャッターが切られた。
 写真映り悪いから写真は嫌いだと紗綾は思うものの、二人はお構いなしに撮影会を始めてしまう。
 そうなれば止められる人物は一人しか存在しない。
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