Catch-22 ~悪魔は生贄がお好き~
 だが、そうそう上手くいくはずなどなかったのだ。
 全て試練なのかもしれない。今まで逃げていた人間に簡単に成し遂げさせてくれるほど神様は甘くない。
 これに関しては自分の問題ではないと思うのだが、全く無関係とも言えない。
 校門の脇に立っていたのは海斗の元恋人だというあの女性だった。
 圭斗に用だろうか。でも、彼は帰ってしまった。それを伝えるべきなのか、知らないフリをしてしまった方が楽なのか、迷っている内に目が合ってしまった。

「ねぇ、あなたよね? 海斗と一緒にいたの」

 ツカツカと彼女が歩み寄ってくる。気付かれている。その目は確信に満ちている。

「海斗の居場所は?」
「わかりません」

 それは本当だ。彼がどこで何をしているかは知らない。将仁といるのかもしれないが、そうでないかもしれない。

「連絡先、知ってるでしょ?」
「知りません」

 答えれば、彼女の顔が歪む。

「嘘吐かないで!」

 確かに嘘を吐いた。鞄の中、手帳には彼から貰った名刺が入っている。携帯電話にも履歴が残っている。
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