透明な君


悲しそうに笑った先生が僕よりも幼い子のように思えた。


「校長な…」


サツキの父さんとでも
言いたそうな雰囲気だけど
年齢的に有り得ないよな…。


「サツキのじいちゃんなんだってさ」


え?
予想もしなかった関係。

「戸籍上は他人だがな。父方の祖父らしい」


おじいさん…
つまりサツキは孫…
知らなかった。


「俺もさっき教頭から聞くまで知らなかった」



「お前も辛いだろうがお孫さんを亡くしたじいちゃん…校長も辛いんだろうな」


ポンポンと担任の手が
僕の頭に触れる。



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