透明な君


「うん。もう帰るよ。母さんにもそう言っといて」


『真っ暗だから危ないよーて心配って!』


「ははっ。僕は男だから大丈夫だよって言っといて」


代わって~!!

ドタバタ…

『ハール兄!早く帰ってきて!!遊んでーっ!』

「ハルトと遊んでなよ」

『ダァメっ!!
おっかないしたからハルちゃん泣いちゃったっ!だからハル兄とハルちゃんで遊ぶのっ!!』


「ハイハイ。ごめんね。すぐ帰るよ。じゃあね」

ピッと終話ボタンを押してやかましい金きり声が聞こえなくなった。


双子の妹・ハルカと
弟・ハルトから

帰りが遅いとの連絡だった。



三人兄弟ややこしいことにみんな『ハル』がつく。父さんのこだわり。


家の中では
みんな
ハルハル言ってるから
もう誰が誰を呼んでるかわからない。


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