透明な君
スタスタと暗い廊下を進み、角を曲がれば2人のいる場所。
「ねぇ?そろそろ帰…」
壁から半分だしていた体を急いで引っ込めた!
だ、だ、だ…抱き合ってる!?
壁に背をつけ
動揺した。
どうしよう…
僕が今出ていったら邪魔だよね…?
その場からそろりと離れ教室にある荷物をもった。
あ…プリント…。
本来の目的を思い出し、ため息をついた。
とりあえず、
カバンに詰められるだけ詰めて、残りはサトルのカバンに詰め込んだ。
パンパンになったカバンを持ち上げ昇降口に向かった。
暗い廊下の先を少し見つめてまたため息…。
靴を履き替えた時にサトルにメールした。
『家族が心配してるから先に帰るよ。
カバンにプリントを詰めておいたから、分別よろしく。じゃあ月曜日に学校で…。ハルキ』
携帯を胸ポケットにしまい重いカバンをもって
薄暗い道を小走りに進んだ。