透明な君
「私の初恋は凄く遅かったの。高校生になってから…ハルくんが好きになったの…」
「恋人になれて本当に嬉しかった。楽しかった」
「でも、黒い心に負けちゃった…」
「違うよっ!僕がいけないんだ…っ!僕がサツキのSOSに気づかなかったから…っ病気になってっ!それにも気づかないでっ!!」
「ううん、違うよ。
確かに私、うつ病だった。でもね。病気に負けたんじゃないよ」
サツキは立ち上がって
一面のカスミソウの中に入っていった。
真っ白ななかに
真っ白なサツキ…。
「ハルくんっ!私ね、私に負けちゃったのっ!」
顔いっぱいの笑顔が
眩しくて愛しい…。