やっぱり愛おしい
だけどなぜそのことを、藤堂課長がこんなにも静かに怒っているのか、私が今この状況にいるのかが、まったく理解できない。
むしろ、はずかしくて早く離れたい。
もし誰か来たら、こんなところを見られたらどうしよう。

「藤堂課長、離れてください。誰か来たらまずいです。
柴田さんや井上さんは同期ですから、一緒に食事に行くこともあります。
私は別にそれ以上の好意はありませんし
、おふたりともそう思ってないはずです。だから……離してください。」
私は声がうわずりそうになるのを抑えながら、そしてなぜ怒ってるのかわからない藤堂課長をこれ以上刺激しないように、私は言葉を選びながら、離れてもらえるのを待った。

本当はもう少しこの温もりに、藤堂課長の腕の中で甘えたいとも思う私もいたけど、ここは会社。
しかも課長はなぜか怒っているのだから、これは愛のない抱擁のようなモノだから、これ以上くっついているのはある意味辛いから離れたいのに
「ダメだ。」
私は課長によって再び拒否された。



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