やっぱり愛おしい
「……。」
私は何も言えなかった。
だって、貴晶さんからそんな話はまだ出てなくて、聞かされてもいなかったから。

たしかに私だって二十四歳になった。
友人も少しずつ結婚していってるから、
やっぱり憧れは正直ある。

でも部長になりたての貴晶さんの忙しさもわかってる。
土日どちらかの出勤が珍しくなくなって、会える日や時間が少なくて、メールもすぐには返信がないし、遠出なんて最近できてない。
ゆっくりふたりきりで旅行なんて、難しかったりする。

だから結婚はまだ考えてないんじゃないかと思ってしまう。
私から逆プロポーズなんて絶対に無理だし、私が貴晶さんの恋人でいいんだろうか?いつか私に飽きて違う女性にってことはないんだろうか?とついネガティブに考えてしまいがちになる。

最近井上さんから聞かされた例の話も、また何も聞いてないし、聞けないし、こんなに不安になってる私と貴晶さんは結婚したいかなぁ?
そうぼんやりとしながら、出口の方を見た時、私はある一組のカップルが店員の女性と話をしていたのが目に入った瞬間、私は目を見開き、同時に体が硬直するのを感じた。
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