やっぱり愛おしい
クローゼットの扉を開けると、そこには
貴晶さんのスーツ、ジャケット、シャツやジーンズがハンガーにかけられて、ズラッと並んでかかっていた。
普段からオシャレで、妖艶な魅力をもつ貴晶さんは、私服もたくさん持っていてやっぱりいい香りがした。

神経質なところもあるからか、細やかで無駄がない。
心配していた女性モノの私物はどこにもなかったから、やっぱりあの時見た男性は他人の空似だったのかな。

多分そうかな、私の見間違いだったのかな?

仕事ができて、自分に厳しくて、責任感が強いし、細かいミスすら突き止めて許さないし、神経質なところもある貴晶さんが浮気するとは、そもそも考えつかない。

嫌だな、私ったら貴晶さんを疑うなんて。
疑ってしまった自分がはずかしい。
でも、やっぱり少しだけ不安だから、後で貴晶さんが帰ってきたら、日曜日にそっくりさんを見たと話してみようかな。

そう思いながらクローゼットの扉を閉めようとした時
うん?あれは何かな?
右端の方にスーツに隠れるかのように、ポツンと紙袋が置いてあるのが目に止まった。





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