やっぱり愛おしい
私は翌日本当に会社を休んだ。
目も腫れていたし、何よりも昨日のことに対する気持ちの整理がつかなかった。
逃げるように飛び出して帰宅したその後
『わかったけど、大丈夫か?
ちなみに俺は、木曜日は急遽出張になった。
金曜日は終日会議で、オフィスにはあまりいない。
週末のことだが、土曜日は少しだけ出勤するが、茉優莉は必ず金曜日の夜から泊まりに来い。
休みの件は、俺が電話を受けたことにしておく。
じゃあしっかり寝とけよ。』
と、貴晶さんからメールが届いた。
付き合い始めた頃から、予定を細かく知らせてくれる貴晶さんだけど、貴方は私だけの彼ではなかった。
貴方の運命のお姫さまは別にいた。
“タカ”とあの女性が呼んだ声は、バニラみたいな、いちごみるくキャンディみたいな甘い声だった。
決して真似のできない、オトナの魅力にあふれる声だった。
貴晶さんもあまり見せることのない笑顔をあの女性に向けていたことが、見ていてとても辛かった。
足元がぐらつくくらい、何が起こったのかわからないくらい。
見間違いだと安堵したのも束の間の紙袋の存在と、貴晶さんがクロだと知ってしまった真実にもショックが隠せない。