やっぱり愛おしい

こうして迎えた運命の土曜日の朝。
目を覚ました私を見下ろして微笑む貴晶さんは、Tシャツにジーンズ姿ですでに起きてシャワーを済ませていたのか、ボディソープの香りがした。
「昨夜は悪かった。
求めてくれたお前がかわいくて余裕がなかった。起きれるか?
朝食は俺が作ってやるし、風呂わいてるからゆっくり入ってくるといい。」
そう言って貴晶さんは、私のカラダを起こしてくれた。

「……はい、ありがとうございます。」
お言葉に甘えて起こしてもらい、ガウンを羽織らされた私は、少しだるいカラダを引きずりながらバスルームへと入ると、鏡に映った私の胸元からお腹には、無数の紅い華が咲いていた。
貴晶さんが私に欲情して盛ってくれた愛の証であり、最後の愛の痕。

貴晶さんが咲かせてくれたこの華が、ずっとずっと消えずに私のカラダに残っていてくれたらいいのに……なんて、自ら離れていくと決断を下した私は未練がましいけど、まずは貴晶さんの待つリビングへ行かないと待たせてしまう。
私は泣きそうになるのをこらえて、ミルクの香りがする湯船からあがった。

あの人と一緒に朝食が食べられるのも、今日が最後だね。





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