やっぱり愛おしい
貴晶さんが作ってくれた朝食を私はしみじみと味わいながら食べた。
手際良く作られた、トーストとベーコンエッグとサラダと冷たいカフェオレ。
完璧な貴晶さんの作るモノは、何でも本当に完璧で、彩りも綺麗で、私が作るよりも何倍もおいしく感じた。
「……おいしい。貴晶さんの作る食事は
、いつでも何食べてもおいしいです。」
私は素直な言葉をつぶやいた。
「そうか?
別にこれくらいは特別なわけでもない。
俺は茉優莉が作ったのが好きだけどな。」
サラリと言ってくれる貴晶さんの褒め言葉が、今日はすごくうれしくて、私の胸を熱くする。
でももう、こうして一緒に朝食を食べることすらできない。
大好きな朝のこの時間は、もう二度とやって来ない。
「茉優莉、どうかしたか?」
ココロがどこかへ行った私を、怪訝そうな顔で心配しながら首を傾げる貴晶さんに
「あっ、いえ、何でもないです。」
そう言って作り笑顔でごまかした私は、泣きそうになるのをこらえながら、無理にでも笑顔を浮かべ続けながら、貴晶さんが作ってくれた朝食を噛みしめた。