やっぱり愛おしい
「クローゼットを勝手に開けてしまって
ごめんなさい。」
「そんなことはどうでもいい。荒井と柴田に言われなくても、お前がクローゼット開けたことくらい、お前のコロンの残り香と、紙袋のズレやパンフレットを慌てて仕舞い込んだ形跡でわかってたよ。
で?他には?」

「双子だって話してくれたことを、忘れてしまっていてごめんなさい。」
「他には?」

「浮気だと疑ってごめんなさい。」
「他には?」

「貴晶さんと貴継さんの見分けがつかなくてごめんなさい。
確かめなくて、不安になって、暴走して、別れようと思ってごめんなさい。」
「……はぁっ、他には?」

「私は本当は別れたくないです。
夏希さんが“タカ”と呼ぶ甘い声を聞いて誤解して、胸が締めつけられて辛かったけど、それでも私はやっぱり貴晶さんが大好きで、愛おしくて大切な存在で、いつも一緒にいたいです。
ただの部下に戻るなんて、封印するなんて、私にはできそうにないです。」
そう言い終えると同時に
「……もういい。」
とつぶやいた貴晶さんに、私はそっと抱きしめられた。










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