やっぱり愛おしい
「……だからあの時オフィスで?」
ポツリと呟いた私に貴晶さんはうなずくと
「ああ、ふたりきりになったのは偶然だったが、いい意味でチャンスだと思った。強引なのはわかっていたが、井上や他のオトコたちに盗られるのが嫌で、俺だけのモノにしてしまいたくて、本当のところ緊張もしていた。
でもあの時は怖がらせて悪かったと今でも反省している。」
貴晶さんは謝罪めいたことを言いながら、私の頭を撫でると
「茉優莉……俺はお前が思うほど完璧な人間じゃない。
同じ一卵性の双子でも、弟の貴継は器用で、優しくて良く笑うが、俺は愛情表現が不器用で独占欲も強いから、付き合ってからも、本当は不安だった。」

不安?貴晶さんも、私と付き合ってて不安に感じることあったの?
「……不安だったんですか?」
口を開いた私に
「……不安だったさ、たまらなく。」
貴晶さんはそう言って話を続けた。

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