Milky Way~壁の乗り越えかた~

惚気てナンボの新婚生活

「ただいま」

「おかえり」

ほろ酔いのわたしを迎えてくれたのは、幼馴染みで、3月に夫となったばかりの義徳。

「酔ってるみたいだけど、大丈夫?」

「大丈夫だって。前後不覚になるほど飲んでないし」

「歓迎会か……初授業はどうだった?琴音先生」

「初授業といってもガイダンスだったから、それほど大変じゃなかったよ。だけど、既婚者だってこと突っ込まれて、ごまかすのが大変だったよ」

「それはご苦労様」

リビングに入ると、テーブルの上に台本が置いてあった。

「今まで読んでたのか?」

奏義徳はプライベートでの彼の姿、一旦外に出れば人気俳優の「鷲尾奏」となる。

「それが仕事だし、琴音がいないのに寝るのは拷問だから」

わたしと義徳が結婚したのは、大学の卒業式の後。
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