【完】キセキ~君に恋した時間~
そ、そうか……!
今の言葉は美海を照れさせてしまったの
か……!くそぅ、俺の減らず口!!
「ほんっと……ムカつく!なに勝ってん
のよ!」
え、そんな理不尽な。
そう言おうとして、言葉を止めた。
美海がうつむきながら、肩を震わせてい
た。泣くのを、我慢するみたいに。
「……応援なんてしてる自分がムカつく
!シュート決めたあんたがムカつく!」
「美海……」
「嬉しいなんて……思ってる自分が、ム
カつく……!」
そう言った美海は、顔を上げて。
「……教えてあげる。約束だから」
そう、言った。
勝利と引き換えに近づいた、君の心に。
俺は、触れるのを許されるだろうか。