【完】キセキ~君に恋した時間~
優しい声で訊いてやったのがバカだった
。こんなときにもそこは忘れないとはな
んと恐ろしい……!
よく、女の上目遣いにドキドキキューン
ってなってる小説やら漫画やらがあるけ
ど、嫌な動悸しかしてこないぜ。
俺このままじゃ、女性恐怖症になってし
まう……。
「お待たせしましたー」
そんな店員さんの声を聞きながら、トレ
イを受け取り、空いている席へとついた
。
「……」
「……」
はい無言ー。
まあわかってたけどね。明るく談笑する
雰囲気でもないし、いきなり本題に突っ
込むのもあれだしね。
だけど無言ってちょっと怖いんだよね。
寿命が縮むんだよ、マジで。
と、俺がこんなにもびくびくと頭を悩ま
せているのに、目の前には優雅にシェイ
クを飲んでいる美海。
と、その時、美海と目がばっちり合って
しまった。