トワイライト
　　そして間もなくオーダーを取りに来たウェイトレスにそれぞれオーダーを告げると、美有は即その女性に話を切り出し、坂下に有を捜す事になったこれまでの経緯を、かいつまんで説明した。




　　すると坂下は驚いた表情で
「そうだったんですか。有が失踪していたなんて私ちっとも知らなくて。ではやはり有はトワイライトの浜辺にまだ滞在をしているのかも？知れませんね。そしてあるいは此方に戻れない何かしらのアクシデントに遭っている可能性がありますね」
　　と坂下は心配気な顔をしながらそう言った。




「そうですね。旅行から一月（ひとつき）以上も戻らないと言うのは、やはり可笑しいですものね。有さんにはおそらく此方に戻れない何かしらの理由が、きっとあるはずだわ。でもこれでやっと具体的な有さんの行方の糸口が掴（つか）めそうです。ちなみに私達本当に偶然あなたに会えて助かりました。ありがとうございました。感謝致します」
　　と言うと美有は丁重に坂下にお礼の言葉を言った。




「では有の行方がはっきりと解ったら連絡を下さいね」
　　と言って坂下は自分のケータイの番号を美有に伝えた。
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