ワイン恋物語
「つー、危ないよ!

気絶してたんだから!」

躰を起こしたわたしを根本さんが止めに入った。

今は何時なの?

腕時計に視線を向けると、
「7時…?」

朝の…じゃなくて、夜だよね?

わたしは長い時間、意識を失っていたらしい。

それにしても、変な夢だったな。

「――人魚姫、か…」

そう呟いて夢の内容を思い出していたわたしに、
「アンデルセンの?」

「えっ?」

その呟きは、根本さんに聞こえていたようだった。
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