Prince×Prince~彼女と彼と彼?!~
「そう。
着替え終わったし、帰ろうか」
「一緒に、ですか?」
「そう。一緒に」
何で…?
一人でも帰れるっつーの。
「一応女の子なんでしょ?
もう暗いし危ないでしょ」
「ご心配なく。
護身術は身に付けてるんで」
「そう?
でも送らせて。ね?」
…何だ、この王子様スマイルは…。
………気持ち悪いぞ。
ていうか、いつの間に女の子扱いになってねぇか?
凪“ちゃん”にまた戻ってるし…。
ーぶるっ…
“ちゃん”は嫌だ…。
鳥肌立つし気持ち悪い。
性に合わねぇよ。
「…っはぁ…。
わかりました」
「本当?」
何なんだ、コイツ。
いいっつってんだろ、聞き返すなや。
まぁ…タダでってわけじゃねぇけどよ。
「ただし条件付きで」
「あ、やっぱり?」
予想、してたのか?
まぁいいか。
「“ちゃん”を付けるのはやめてください。
他なら何でもいいんで」
「ちゃん?」
「私の名前呼ぶ時です」
「あぁ…!
そんなのでいいの?」
他に何があるっていうんだ!
私にとって凪“ちゃん”は屈辱も等しいんだよ!