Prince×Prince~彼女と彼と彼?!~

「そう。
着替え終わったし、帰ろうか」

「一緒に、ですか?」

「そう。一緒に」


何で…?

一人でも帰れるっつーの。


「一応女の子なんでしょ?
もう暗いし危ないでしょ」

「ご心配なく。
護身術は身に付けてるんで」

「そう?
でも送らせて。ね?」


…何だ、この王子様スマイルは…。

………気持ち悪いぞ。


ていうか、いつの間に女の子扱いになってねぇか?

凪“ちゃん”にまた戻ってるし…。


ーぶるっ…


“ちゃん”は嫌だ…。
鳥肌立つし気持ち悪い。
性に合わねぇよ。


「…っはぁ…。
わかりました」

「本当?」


何なんだ、コイツ。
いいっつってんだろ、聞き返すなや。


まぁ…タダでってわけじゃねぇけどよ。


「ただし条件付きで」

「あ、やっぱり?」


予想、してたのか?

まぁいいか。


「“ちゃん”を付けるのはやめてください。
他なら何でもいいんで」

「ちゃん?」

「私の名前呼ぶ時です」

「あぁ…!
そんなのでいいの?」


他に何があるっていうんだ!
私にとって凪“ちゃん”は屈辱も等しいんだよ!


< 88 / 104 >

この作品をシェア

pagetop