四季の旅。
夏はだめだ。
私は暑さは感じないのだけれど、セミがうるさい!
ミカヅキは暑さでぐったりしてるし。
もしかしたら、1番嫌いな季節かも知れない。

ミカヅキが暑い暑いとうなだれていたから、かき氷を買ってあげた。
それを一気に食べたミカヅキは、
『頭がキンキンする~!』
『…やれやれ』
なんだかバカっぽくて呆れた。

お金も少し底を付いてきたので、ここでしばらく働かなこうと思う。
私は一応万能に作られているから、だいたいの事はなんでもできる。
働き口は簡単に見つかる。
そう思っていたけれど、失敗した。
数日で私が機械仕掛けの身体だとバレたんだ。
オオカミ犬と人間じゃない物。
不信感は募る。 追い出される前に逃げてしまった。

なんでなのだろう?
私はちゃんと人間と同じ事を考えてるはずなのに。
私のなかには精神が、命がちゃんと宿ってるはずなのに。
そこだけは自然から生まれたモノのはずなのに!
人間は受け入れない。
私はともかく、ミカヅキなんて街に入れてもらえない事も何度もあった。
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