【続編】スパイシーな彼~彼女が生きた証愛した瞬間
喜びが一気に悲しみへと変わってしまった。


せっかく授かったはずの命が、晴香の体の中に確認できるのに、流れてしまう危険があるなんて…


「どうしたらいいの?」


「一週間して変化なかったら、取り出さないとダメって…それか、流産しちゃうって…」


「何を気をつけたらいいんだい?」


「今はただ祈るしかないって…どうやっても変わらないって…」


世利が後部座席のチャイルドシートに乗りながら、ママを呼んでいた。


「ごめんね世利…帰ろうね~」


「そうだね~帰ろうか…」


病院からの帰り道、明るく世利と歌う晴香がいた。


本当は泣きたいくらい辛いはずなのに…


母親は守るべき子供が傍にいると、本当に強く見える。


憲吾の方が悲しみに包まれ、涙を見せないようにしている。


神様…どうか赤ちゃんを守って下さい…そう願いながら…
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