逢いたい。
だからか。
彼女のことはよく覚えてる。
そして、塾が終わって帰ろうと思ったら。
塾を出てすぐの所にある電柱に寄りかかって携帯をいじってる、
山澤くんが居た。
そして、あたしのすぐ後ろから、
「悠志、おまたせっ」
茜音ちゃんの声がした。
あぁ、二人付き合ってるんだ。
直感的にそう感じた。
女の子ってそーゆーの敏感だったりするから。
茜音ちゃんは悠志と呼ばれる男の人の手を躊躇することなく、握って。
「心咲ちゃん、じゃあね!」
と、優しい笑顔を浮かべた。
「あ、ばいばい!」
あたしも取り付けなような笑顔で、
そう返した。
