復讐のkiss
その言葉に、その場にいた誰もが、

驚きの表情をしていた。

それでも私は続けた。


「ホルスに隙を与えたふりをするんです。

ラメセスはこの戦にはいない。

そういう事にして、左翼軍の指揮官として、

ホルスの目を欺く・・・

その為には、鎧も、私と交換しなければなりませんが」


「そんな事はさせられない」

…案の定、そんな声が聞こえた。

それを言ったのは他でもないラメセス。


「大丈夫です。軍をすべて入れ替えると言う事は、

私の横にはずっとジュセフさんがいてくれる。

それほど心強いものはありません」


「…ミラ様、中央軍は、グリフが指揮しているんですよ?

私がどこまでお助けできるか、わからない」

流石のジュセフも、困惑の表情。


「何かあれば、ラメセス王、

貴方に動いてもらいます。

もちろん中央軍のグリフへの攻撃を・・・

グリフは、私に気がついたら、きっと、

気が緩む。女では話にならないと言って」
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