復讐のkiss
「いいじゃないか、その話、オレは賛成だ」

そう言って微笑んだ男がたった一人。


「正気か、…オシリス」

…そう、たった一人、賛成したのは、

オシリスだった。


「ありがとうございます、オシリス」

私はオシリスに笑顔を向けた。

一瞬笑顔になったオシリスだったが、

すぐに真剣な表情に変わった。


「ただ一つ、条件がある」

オシリスの言葉に、皆が注目した。


「条件とはなんだ、オシリス?」

ラメセスが問いかけた。



「右翼軍の指揮を、ジュセフがする事」


「何を言うオシリス、中央軍からジュセフを外せば、

ミラは独りになってしまう、大事な側近がいなくては」

オシリスの提案にラメセスは怒りを露わにする。



「右翼軍の指揮は、ジュセフじゃないと務まらない」

オシリスは全く引くことなく言い放った。


「オシリス、お前はどうするんだ?

お前が右翼軍の指揮官なんだぞ?」


「だから、ジュセフと代わるんだよ、ラメセス王。

ミラを守る為に、ジュセフの鎧をつけて、このオレが」

そう言ったオシリスはニコッと微笑んだ。
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